○秒に1個売れている!は実は大したことない

ライフハック

普段の買い物や、オンラインショッピングでこのようなキャッチコピーを目にしたことはないでしょうか。これはすごい!と思いがちですが、実はそうでもないんです。

いつの間にか定着した売り文句

売れている商品というのはそれなりの理由があるから買われているという意識もあり、「今までにこれだけ売れたのだ」というアピールをするために「○秒に1個売れています!」という表現を見かけることが非常に多いです。

この表現を聞くと、お店に絶え間なく長蛇の列ができていて商品が飛ぶように売れているような感覚になりそうですが、実際はどうなのかこの数字のカラクリを見ていきます。

実際どれだけ売れているのか

1秒に1個売れている商品があるとします。

1分で60個。

1時間で3,600個。

1日(24時間)で86,400個。

1か月(30日)で2,592,000個。(約260万個)

1年(365日)で31,536,000個。(約3150万個)

もしかして・・・やっぱりすごいんですかね? では、実際の商品に当てはめてみましょう。

読売新聞の2019年上半期の朝刊発行部数は約810万部とのことですので、このデータを使って同じ表現にしてみます。

180日で810万部とすると1日当たり4.5万部になりますので、「読売新聞は2秒に1部売れている!」ことになります。これに対して「すごい!」と思いますか?なんとなく違和感がないでしょうか?

ローソンでは1秒に2個売れているホットドッグがあるそうです。これは1日に換算すると172,800個売れたことになります。このホットドッグの販売店舗は13,836店とのことで、1店舗あたりでは1日12.5個売れたことになります。2種類のホットドッグの合計数のようなので1種類につき最低6個売れればおおむね達成できます。他のサンドイッチや総菜パン、からあげくんやLチキはそれ以上の販売数があるのではないかと思うと、特別すごいわけでもなさそうです。

※読売新聞とローソンを批判するような書き方をしてしまいましたが、これだけ売れているのは相当な企業努力が必要で、実際すごいです。実家は読売新聞を購読していましたし、ローソンの製品は大好きです。ということを一応書いておきます←

なぜこのような表現を使うのか

この表現が多く使われる理由は、少ない文字数で強い印象を与えられる点だと思います。感覚として「秒」というごく短い時間があり、その中で商品が売れているという意味でも強く印象が残すことができます。

また、この表現はロングセラー商品でない、瞬発力のある商品に対しても使える利点があります。先ほどのホットドッグも販売されたばかりでしたが、2週間の販売数を使って1秒に2個売れたとアピールしているようです。

しかし、本当に大ヒットしている商品であれば、他にもより良い表現方法があるはずです。この表現を使うのはとにかく売りたいが他製品と比べても大きな差がないからだと推察します。ですので個人的にはこの表現でアピールしている商品はあまり信用していません。

誰が使い始めたのか

昔は「売上個数〇〇〇万個突破!」といったような総数でアピールすることが多かったと感じますが、このような表現はいつ頃から始まったのでしょうか。どこが発祥であるかについての資料は見つかっていませんが、少なくとも2010年10月にDHCが「6秒に1個売れている」という表現を使用しているのが確認できています。

https://top.dhc.co.jp/contents/guide/newsrelease/pdf/20101006_1.pdf (※PDF注意)

DHCのCMといえば「〇〇ランキング、第一位!」みたいなのを連呼しているイメージもあります。人の印象に残るキャッチコピーを作るのがうまいのかもしれませんね。

まとめ

ありがちなキャッチコピーですが、数字を計算してみると実際にはそこまですごくないかもしれません。キャッチコピーは商品を売りたいためのものですので、惑わされずに他の要素も含めて商品を見るよう心掛けると良いかと思います。

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