アルコールハンドジェル購入時の落とし穴

新型コロナ

新型コロナで品薄になっていたマスクはだいぶ市場に出回るようになってきました。アルコールスプレーやハンドジェルについても徐々に出回ってきてはいますが、いまだに品薄状態です。今回は筆者がアルコールハンドジェルを購入した際にハマった点と調べて分かったことをまとめてみました。

たまたま見つけた日本製

日頃の運動不足を解消しようと少し遠めの店に買い物に行くと、アルコールハンドジェルが棚に並んでいるのを見かけました。今までにも何度か見かけたもののノーブランドの中国製や韓国製なこともあり、買うのを見送っていましたが、今回のハンドジェルは日本製でした。これもノーブランドのものですが、メーカーを調べた限りはそこまで(?)怪しくはなさそうなので買ってみました。

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値段も良心的で1080円。ほくほくで家に帰ってきました。

よく見てみると・・・

いい買い物したなぁと家に帰って改めて見てみると・・・

「アルコール」の右上に「※1」の文字が。なんだこれ?

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嫌な予感がしつつも※1の場所を探すと、ありました。

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清涼剤・・・?

スースーしますってこと・・・?

ウィルス除去しないの?? ねぇ、どういうことよ???

ニセモノをつかまされたと若干パニックになりながら調べてみました。。

アルコール濃度が低い

調べた結果、このような記事が出てきました。

品薄続くアルコール消毒液、類似品どう見極める?
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、需給の逼迫が続くアルコール消毒液。大手メーカーは増産に乗りだすが、品薄状態が続き、通信販売サイトなどでは効果が定かではない類似品も多く販売されている。

要点だけ抜粋すると、

 健栄製薬「手ピカジェル」は(76.9~81.4vol%)、サラヤ「ハンドラボ 手指消毒スプレーVH」は(76.9~81.4vol%)のように、確かに上記の範囲のエタノール濃度が表記されている。ところが、量販店や通販で売られている一部の商品には濃度の記載がないものがあった。その商品の1つを手に取ってラベルを見ると「アルコール洗浄タイプ」と記載されているが、その「アルコール」の文字の傍らには「※1」と注記があり「清涼剤・溶剤として」と補われている。つまりアルコールは消毒用途で入っているわけではないのか――。

 記者は製造販売元に問い合わせてみた。

 電話口の担当者に尋ねると「うちの商品のアルコール濃度は58%です。化粧品として販売しており、『除菌』や『殺菌』といった文言は使っておりません」と説明。同社HPには「新型コロナウイルスに効果があるかどうかは、現時点では他社様の多くの商品と同様、確認できておりません」との注意文も掲げている。アルコールが含まれる以上、感染防止に効果がないとは言い切れない。だが、感染リスクを下げる効果は、濃度が明記された商品に比べると劣る可能性が高い。

日経ビジネス 品薄続くアルコール消毒液、類似品どう見極める?

というわけで、アルコールは入っているには入っているものの、消毒の効果が認められるほどのアルコール濃度ではないため補足として清涼剤としてアルコールを用いていますと濁しているようでした。

購入したハンドジェルには濃度すら書いていなかったのですが検索した結果59%のようで、上の記事そのままじゃないか。。。と落胆したのでした。おしまい。

・・・いやいや、アルコール濃度59%なら殺菌できないこともないのでは?

本当に新型コロナウィルスに効果がないのか?

70%で殺菌できるのに59%で殺菌できなくなるのか?という疑問がわき、これについても調べてみました。結論としては、殺菌できることがわかりました!

以下の記事が非常によくまとまっていました。

【新型コロナウイルス】消毒用アルコールが不足 家庭で入手できる洗剤やエタノールでも十分な消毒効果がある | ニュース | 保健指導リソースガイド
 新型コロナウイルスの感染が拡大しているが、消毒用アルコールが不足しており、どのように消毒をしたらよいか頭を悩ませている家庭が多い。  アルコール消毒液の代わりに、一般の家庭で手に入りやすいエタノールや、台所用洗剤の成分である界

簡潔にまとめると、

アルコール濃度50%以上あれば、1分間の接触時間で新型コロナウイルスを不活性化できる

つまり筆者が購入したアルコールハンドジェルもニセモノではなく、新型コロナウィルスへの効果が期待できるハンドジェルであることがわかり、一件落着です。めでたしめでたし。

注意点としては、アルコール濃度が低くなるとその分アルコールの残留時間が短くなってしまうので、濡れた手ではなく、なるべく乾いた手で使う必要があるそうです。

薬事法の関係で製品に「殺菌」や「消毒」などと記載はできないのかもしれませんが、この効果が何らかの形で正式に認められれば注釈はなくなるかもしれませんね。(疑問は解消したのでこのあたりは深入りしません)

なぜアルコール濃度が低いものを販売するのか?

もう一つ新たな疑問がわきました。効果があることは分かったのですが先ほどの日経ビジネスの記事を見るに、生産元は「効果があるかどうかわからない」状態で商品を作っているんですよね?

ほんの数%入れてごまかしているのならともかく、58%や59%までアルコール濃度を高くしているのなら、あと10%近く増やして70%にして販売すればいいのでは?なぜわざわざニセモノのようなものを作る必要があるんだ?ということが疑問になり私なりに推測してみました。有識者の方がいらっしゃれば是非ご教授ください。

推測1:効果があることを知っている

実際は60%弱でも既知のウィルスや菌に対しても一定の効果があるアルコール濃度という周知の事実が生産者側にもあるのかもしれません。ただ、新型コロナウィルスに対してはやはり情報不足で効果があります!とはいえないのかも。

推測2:高濃度の製品が作れない

純粋なアルコールと異なり、ジェルに関する成分の関係でアルコール濃度が低くなってしまうのかもしれません。技術的に60%程度が限界なのか、高品質な素材が調達できないのか。。

推測3:危険物となるのを回避したい

推測2に含まれるかもしれませんが、アルコール濃度が60%以上の場合には消防法では危険物となるようです。手ピカジェルには危険物等級IIの記載がありました。危険物の場合、有資格者が必要であったり貯蔵量の制限などの縛りが出てきますので、そういったものを回避したかったのかもしれません。

まとめ

純粋なアルコールであれば濃度を気にするかもしれませんが、アルコールハンドジェルという商品となるとすべての製品がウィルスや細菌に対して効果があると考えてしまいがちです。実はそうではなく、アルコール濃度が低いものが多く存在します。とはいえ、一定濃度であれば効果が期待できるものもあります。

製品を購入する際には、アルコール濃度の表示をしっかり確認してみてください。濃度に関する記載がないものについては購入を控えることをおすすめします。混乱に乗じて悪いことをする輩もたくさんおりますので、ニセモノを掴まされないよう、少しでも参考になると幸いです。

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